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【特集】ベンチャー精神で医療の将来に貢献する 株式会社プロップジーン

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株式会社プロップジーンは、2004年に臨床検査会社最大手の株式会社エスアールエルからスピンアウトしたベンチャー企業だ。国立大学法人東京農工大学や早稲田大学等と連携をとりながら研究開発を進める同社のこれまでとこれからを、代表取締役社長の川口竜二氏に伺った。

株式会社プロップジーン 代表取締役社長 川口 竜二(かわぐち りゅうじ)氏
株式会社プロップジーン 代表取締役社長
川口 竜二(かわぐち りゅうじ)氏

発症前の検査で医療費削減を目指す

プロップジーンのビジネスは個人の体質関連遺伝子の検査や感染症検査のためのキット販売、受託解析と、医療市場にフォーカスしたコンサルティングなどからなる。この中で遺伝子検査は、同社の母体であるエスアールエルから派生して行っている事業だ。川口社長はエスアールエル時代に、ゲノム研究開発室長として新規検査の開発・導入を行っていたが、「これからの遺伝子検査は、大手にはできない新規分野で伸びる余地があると直感した」と当時を振り返る。発症前に将来のリスクを考え、予防のための生活スタイルを送ることで、全体の医療コストを下げるという未来、それを実現するために起業という選択をとったという。

個々の遺伝子をビジネス視点で見る

同社ではフォーカストアレイを自社製造し、種々の遺伝子検査を行っている。ターゲットは認知症関連としてApoE、PAI-1、IL-10、免疫機能関連としてCCR2、CD14、RANTES、肥満関連としてβ2AR、β3AR、UCP1といったものだ。さらに、生活習慣病、美容、エステ、アンチエイジングに関連する約40項目、および精神・神経関連のSNP/リピート検査など新たに30項目の遺伝子検査を実施している。どのような遺伝子検査を導入するかについては、表現型との関連が十分な信頼性で確認できるものに加えて、他社にない独自性があるもの、技術的に運用可能なものに視点を絞り判断するという。また、日本人集団の統計値に基づく検査を中心に実施するが、世界的ニーズがあるものについては、黄色人種以外の集団向けの検査についても、将来的な市場を見据えてやっていくというベンチャー精神を持つ。

攻めの姿勢と産学連携で前へと進む

川口氏自身が農工大ティー・エル・オー株式会社の取締役を務めた経験や早稲田大学戦略マネージメントセンターの教授だった経歴から、プロップジーンではこれらの大学との連携を継続し、競争的資金の確保も行っている。農工大の研究室で開発された生菌バイオフィルターの製造販売は、大手事業会社への継続的な供給に成功している。さらに早稲田大学で開発された新たなSNP検査に対して、実用化の体制が構築されている。また高崎市の医療系大学とともに遺伝子・免疫検査センターの立ち上げも進行中という。

「弊社が有する遺伝子検査と大学が有する免疫系検査の組み合わせで、個人の過去・現在・未来の健康状態を高い精度で予測するプログラム構築が目前にある」と川口氏は話す。連携する医学者、科学者の視点と、企業家としての収益性のバランスを取り、無借金経営を続け、ベンチャー企業として2014年1月に10周年を迎える事業家は攻めの姿勢で挑んでいる。