PacBio RS II 受託シーケンス

PacBioによる1分子シークエンシング解析

PacBioRSは現状で唯一、PCRによるサンプルDNA断片の増幅を行わない1分子シーケンサーである。


PacBioの特徴

  • 伸長される新規DNA鎖が通常のDNAと同じ構造を持つため安定性が高い。
  • 数kb〜数十kbものリード長を実現できる。
  • PCRを行わないために増幅時のバイアスやエラーを考慮する必要がない。
  • ライブラリ作製からDNA配列を得るまでの時間が短くて済む。

PacBioの原理

PacBioRSは現状で唯一、PCRによるサンプルDNA断片の増幅を行わない1分子シーケンサーである。シーケンス反応は、直径43.5μm、深さ32.8μmのウェル中で行われる。サンプルのDNA断片の両端にループ配列を結合させ、ダンベル状になったものを鋳型として用いる。この鋳型DNAを、ウェルの底面に固定されたDNAポリメラーゼに結合させ、伸長反応を行うのだ。この際、dNTPのリン酸基が蛍光色素で標識されており、伸長ごとに遊離する。この遊離蛍光を検出することにより、伸長反応を進めながらリアルタイムに塩基の解析ができるというのがPacBioの技術である(図)。この技術の大きな特徴は、伸長される新規DNA鎖が通常のDNAと同じ構造を持つため安定性が高く、数kb〜数十kbものリード長を実現できることであ る。また、PCRを行わないために増幅時のバイアスやエラーを考慮する必要がなく、ライブラリ作製からDNA配列を得るまでの時間が短くて済むという利点もある。

BioGARAGE-15_pridata_final.pdf(11_32ページ)